中川李枝子さんと信夫山 ー 「さんぽ」の舞台
「ぐりとぐら」の作者として有名な童話作家の中川李枝子さんが、福島市で第二小学校の5年生から第二中学校、福島女子高校の1年までを過ごしたことは、意外と知られていないようです。中川さんは、ジブリの名作、となりのトトロの挿入歌でとても有名な「さんぽ」の作者でもあります。この歌が、信夫山が舞台のようにあちこちに書かれているのですが、それを書いたご本人の記事を見つけることが出来なかったため、証明する文書がないか、中川さんの著書を読んだりして探していたのですが、そうしているうちに、信夫山ガイドセンターに、福島民報新聞、2002年8月30日の「人・ふくしま」のコーナーで中川李枝子さんを取材した記事のコピーがおいてあり、中川さんのインタビュー記事が載っていたのです。
以下にその部分(こころの原風景)の文章をそのまま記載します。
「通っていた福島二小、福島二中では当時、よく先生が私たちを連れ出し野山を歩き回りました。戦後の自由な雰囲気がそうさせたのか、足の向くまま信夫山や阿武隈川の河畔などへ何度も出掛けたものです。信夫山の急な山道も同級生とわいわい、おしゃべりをしながら歩くと苦になりませんでした。楽しい思い出です。
私の童話を愛読していた宮崎駿さんが映画「となりのトトロ」を制作する際、挿入歌の作詞を依頼されました。子供たちが、いつまでも口ずさめる歌をといわれ、思い浮かべたのが信夫山周辺を歩いた光景。「歩こう歩こう わたしは元気・・・」 という「さんぽ」が生まれました。」
やはり本当だったのですね。慣れ親しんだ信夫山が本当に「さんぽ」の舞台であったことを知り、「わたしも元気」になりました。実際に登っている時には息も絶え絶えで、歌のようにはいきませんが・・・