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乳癌に対する乳房温存療法2

温存手術は、どこの施設でも安易に同様にできるものではありません。

癌の広がりを正確に把握できるMRIやCTなどの画像検査、画像所見から癌の広がりを立体的に構築、理解し、手術中に癌の広がりを把握して予定通り切除を行う術者の努力と能力、術後には病理学的に切除標本のどこに癌があるか確認し、術前画像と照らし合わせて切除が十分だったかの検証、術後の温存乳房に対する放射線療法、そして(これは全摘後でも共通ですが)、最適な術後補助療法(薬による再発予防の治療)など、どれが欠けても安全な温存療法は困難です。したがって、温存率は、その施設、施設の実情で変わるのは当然の事なのです。医療者側は、前述のような原理、事情を正しく患者さんに伝える義務があります。

また切除範囲を広げれば、癌が残る率は減りますが、術後の温存乳房の形は悪くなりますので、正確に癌の範囲を見極め切除範囲をあまり大きくしない努力も必要であり、さらに形を整えるための形成的な技術の習得も有用です。

少し前は、新聞社などの乳腺専門施設への質問事項には、乳房温存率(温存手術を全乳癌手術の何%に施行しているか)が必ず入っており、私も「温存率が高いのが良い施設」との誤解を与える、と抗議したこともありました。最近、温存手術の割合が下がっているように感じています。一つは形成外科医による全摘後の乳房再建術が一般的になったこともあるかもしれません。しかし、流行のように手術の方針が変化することに大変違和感を感じます。根本にある真理は不変なのですから。

以上、乳癌治療における乳房温存療法ついて考えを述べました。現在手術をしていない者が述べることではないかもしれませんが、一乳腺外科医の考えとしてお読みいただければ幸いです。

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